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姉の好きな書状。
丹波にて。
作業風景。
姉の好きな書状。
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「まるで、観光のついでに戦をしに行く心づもりのようだ・・・」
私たち姉弟(きょうだい)は、「本能寺の変をコレクションする」という一風変わった趣味があり、それぞれの本業のかたわら、本能寺の変が起こった理由を集めることを日々の楽しみとしていました。
「本能寺の変」という一つのお題に対し、趣向を凝らした多種多様な解答の数々。
それはまるで大切り(おおぎり)のようで、興味は尽きませんでした。
ある時、その本能寺の変の主役ともいえる光秀が、自分たちの地元(兵庫県明石市)で歌を詠んでいたことを知りました。それも信長が大変気を張っている戦の行軍中に。
“まるで、観光のついでに戦をしに行く心づもりのようだ……。”
それは生真面目といわれている光秀の人物像とかけ離れたものであり、既成のものの見方が絶対的なものではないと知った瞬間でもありました。
以降、私たちは本能寺の変の、そもそもの大前提を疑うようになりました。
光秀の人物像だけでなく、本能寺の変を起こしたということすら、一度全てを疑ってみてもよいのではないかと考えるようになったのです。
表題の「大切り(だいぎり)」というのは、二人で挽くノコギリのことです。
個性の違う姉弟で交互に文章を仕上げていく私たちの執筆スタイルが、両極に柄のついた大ノコギリを挽く様を思わせたことから名付けました。前例のない視野から挑む本能寺の変です。
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